トップへ戻る 人権擁護施策推進法 公布 1996年(平成8)12月26日 法律第120号 施行 1997年(平成9)3月24日 (目的) 第1条 この法律は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、人種、信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に関する内外の情勢にかんがみ、人権の擁護に関する施策の推進について、国の責務を明らかにするとともに、必要な体制を整備し、もって人権の擁護に資することを目的とする。 (国の責務) 第2条 国は、すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策並びに人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策を推進する責務を有する。 (人権擁護推進審議会の設置) 第3条 法務省に、人権擁護推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。 2 審議会は、法務大臣、文部大臣、総務庁長官又は関係各大臣の諮問に応じ、人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及ぴ啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項を、法務大臣の諮問に応じ、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項を調査審議する。 3 審議会は、前項に規定する事項に関し、内閣総理大臣、法務大臣、文部大臣、総務庁長官又は関係各大臣に意見を述べることができる。 (人権擁護推進審議会の組織等) 第4条 審議会は、委員20人以内で組織する。 2 委員は、学識経験のある者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員は、非常勤とする。 4 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。 5 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。 6 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 7 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。 8 前各項に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、政令で定める。 附則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (この法律の失効) 2 この法律は、前項の政令で定める日から起算して5年を経過した日にその効力を失う。 人権擁護施策推進法案に対する附帯決議(衆議院) 同和問題を始めとする人権問題の解決のため、あらゆる差別の撤廃と人権の確立に向けての人権擁護施策を一層推進、強化することとし、政府は、次の諸点につき格段の努力をすべきである。 1 人権問題における教育及び啓発の重要性にかんがみ、学校教育、社会教育等の分野において「人権教育のための国連10年」の国内行動計画等を踏まえ、人権教育、人権啓発の取り組みに努めること。 2 人権尊重の理念に関する教育及び啓発の基本的事項については2年を目処に、人権侵害の場合の被害の救済施策については5年を目処になされる人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、答申等にのっとり、法的措置を含め必要な措置を講ずること。 3 人権擁護推進審議会委員の人選に当たっては、人権問題に精通した学識経験者を選任するよう配慮すること。 4 審議会の設置及び運営に関しては、平成7年9月29日付け閣議決定に基づき、透明性の確保に努めること。 5 人権擁護施策の一層の推進のため、人権擁護体制の充実、強化を図ること。 6 人権関係条約の批准について、積極的に検討すること。 右決議する。 (1996年12月13日) 人権擁護施策推進法案に対する附帯決議(参議院) 「人権の世紀」とも言うべき21世紀に向けて、同和問題をはじめとする人権問題解決のため・政府は・人権擁護施策を一層推進、強化するとともに、次の諸点につき格段の努力をすべきである。 1 すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、学校教育、社会教育、公務員の研修等の分野において、「人権教育のための国連10年」の国内行動計画等を踏まえ、人権教育、人権啓発に努めること。 2 人権尊重の理念に関する教育及び啓発の基本的事項については2年を目途に、人権侵害の場合の被害の救済方法については5年を目途になされる人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、答申等を踏まえ、法的措置を含め必要な措置を講ずること。 3 人権擁護推進審議会委員の人選に当たっては、人権問題に精通した学識経験者を選任するよう配慮すること。 4 審議会の運営に関しては、透明性の確保に努めること。 5 人権擁護施策の一層の推進のため、人権擁護体制を充実、強化すること。 6 人権関係条約の批准について、積極的に検討すること。 右決議する。 (1996年12月17日) |