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身 元 調 査


1.身元調査はなぜ?
(1) 身元調査で何を…… 何のために……
出身地・家柄・血筋・職業・学歴・家庭状況・財産・信仰……

(2) 身元調査のおこり
 むかしは家の格式や身分で人の値打ちが左右されたものです。したがって結婚となると、お互いの家柄のつりあいなどが問題となり、このことが身元調査の習慣をつくっていったと考えられます。

2.身元調査は許さない
(1) ある会社の採用試験で……
  「お父さんの職業は何ですか」
  「その種の質問については、学校で答えなくてもいいと指導をうけま 
   したので、遠慮させていただきます」
  (本人に無関係な事項、例えば家族の職業、資産、学歴、収入、住居
   状況などは質問しないように労働省より指導されています)

(2) お寺にも、調査の手が……
  「○△さんは、おたくの担当ですか?」
  「ご先祖をさがしています。過去帳を見せて下さい」
  「○○さんのお墓を教えて下さい」  
         ………… などと身元調査の手口は悪質で巧妙です。
   「生まれ」「血すじ」「家柄」で差別する身元調査は犯罪的な行為です。
   (身元調査は憲法に保障されている基本的人権の侵害であり、興信所 
    の調査は憲法違反です。)
 
3.差別身元調査事件(1998年)
(1) 事件の経過
   ・大阪市内のA社が会員企業から依頼を受け、就職希望者の家族・家
    柄・出身・学歴・性格・宗教・職業など、部落出身かどうかなどの
    身元調査を行っていたという事実が発覚しました。
    
 ・なぜ、この事実が判明したかについては、元A社の社員が「履歴書」や「顧客リスト」を持ち出して、「エセ同和」に持ち込み、「エセ同和」が多額の金額をA社に要求したことがきっかけでした。

(2) 明らかになった真相
・ A社の調査は、聞き込みによる人物評、思想、前の勤務状況、家族の思想と生活などがメインとなっています。
・ 総合評価は、A・B・C・Dの4段階に区切られ、Aは優秀、Bは履歴書どおり、Cは留意点ありで、親の政治思想などが問題になっています。Dは「自分の企業なら採用しない」という、きわめて無責任な評価になっています。また、部落出身者とわかった時点で、※がつけられ、調査がストップされていました。
  
 こうした企業の人権意識のなさが大きな問題となって、事件を引き起こしていることを私たちは、重視しなければなりません。
 現在では、差別事件への対応や、差別事件防止に向けた施策を求めて関係機関の方々が真剣に取り組んでおられます。


  さて、あなたは今までに「身元調査」や「聞き合わせ」の経験はありませんか。
  また、聞いたことはありませんか。