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人権教育の現状と課題

平成13年度学校経営(教頭)研修会資料

平成13年8月24日
篠山市教育委員会人権教育課 大路 靖

1.同和教育と人権教育
 ◇ 同和教育
 ・被差別部落の問題を正しく受け止め、一切の差別を許さない精神・態度をもった  国民の育成を重要な課題とする教育。
 ・部落外の差別意識をなくし部落内外の豊かな関係を広げることだけではなく、教 育の分野にみられる部落内外の不平等、部落の子どもたちの相対的な低学力問題など、部落差別を原因として部落内に生じるさまざまな問題状況を教育的に解決しようとする取り組み。

 ◇ 人権教育
 ・人権を専重する精神・態度などを養うことを目的とし、社会に根強く残存する差別、特に部落差別を始めとして子ども、女性、高齢者、障害者、在日外国人などに関する人権を守るための教育。‥・‥・「人権教育のための国連10年」
       (参考図書 解放出版社「部落問廣事典」・2001年板〔知恵蔵〕)

2.人権意識と人権感覚
 ◇ 人権意識をもつ
 ・人権の尊さについてはっきりと認識し、自分自身の置かれている状況を正しく判断して行動できる心の動き。
 ◇ 人権感覚を磨く
 ・人権の大切さや価値の重さを感じとる力を身につける。

3.解放学級について
 ◇ 解放学級の現状
 ・小学校13学級‥‥‥114名   中学校9学級‥‥‥81名参加
 ・少子化傾向がすすむ。
 ・それぞれの地区が持っている「解放学級の歴史」があるため、合同学習や周辺地域を含めた学習の広がりは課題が残る。

 ◇ 解放学級の願い
 ・人を差別することのない人間に育ってほしい。
 ・差別を受けたとき、それに角けない人になってほしい。
 ・友だちが差別を受けていたら、その子を助ける人になってほしい。
 ・差別を許さない人になってほしい。

4.人権教育を進めていく上での課題
 ◇ 教師自身の問題
 ・「差別」にかかわる体験をどれだけ持っているのか?
 ・「差別された体験」「差別してきた体験」をどれだけ持っているのか?
 ・自分の生きざまを語ることができるか?


   −教職員研修のアンケ←トから−

      差別に関するアンケート集計(3年未満・転入教職員)
                     (平成13.8 調査人数28名)

1.「部落差別」の事実を初めて知ったのは?
 ◇ いつ頃
  (小低−18% 小高学年−57% 中学−14% 高校−7% 赴任後−4%)
 ◇ どんなことから
  (授業−61% 解学の存在−18% 遊び・交際−7% 噂〜7% 不明−7%)
 ◇ 誰によって
  (教師一74% 親−14% 友だちの泉−4% 読書−4% 不明−4%)
 ◇ そのときの印象
  (暗い−14% こわい−4% マイナスイメーシや−29% 別になんとも−14%
    不明−4% その他−35%)
         〔腹立たしい・怒り・嫌な感じ・かわいそう・なんでや〕


2.差別されたことがありますか?
  ある−54%(15名)
 ◇ いつの頃
  (小学生−46% 中学生一27% 高校生−14% 大学生−7%)
 ◇ どんなことで
 (仲間はずれ−46% 体のこと−20% 女のくせに−7% 人種差別−7%
   偏差値−7%)
  ない−46%(13名)

3.他人を差別したことがありますか?
  ある−71%(20名)
 ◇ いつの頃
 (小学生一80% 中学生−10% 高校生一5% 大学生−5%)
 ◇ どんなことで
 (仲間はずれ−30% 体のこと−20% 陰口ー10% いじめ−10%
  無視一10% 不明一10% 服装やくせ一5% 在日外国人−5%)
 ない−29%(8名)

4.死ぬまで忘れることができない辛いことを心にもっていますか?
  もっている−32%  もっていない−68%